遙感(リモセン)

2009年12月 8日 (火)

情報収集衛星

 今朝(12/8)の朝日新聞の社説に「情報収集衛星 このまま進んでいいのか」と言う記事が載った。この衛星は今年(2009)11月28日に鹿児島県・種子島よりH-Ⅱロケットで打ち上げられたもので、地上分解能は60cmとこれまでの衛星の分解能が1mだったのに比べ改良されたが、それでも商業衛星IKONS等とかわらない。であるのに軍事目的が優先し、朝日の社説が主張するように『情報収集能力が明らかになるから』との理由で衛星画像は公開されない。現在はOpen Policyの時代であり、米国では国民の税金で打ち上げた地球観測衛星画像は国民に公開している。日本の情報収集衛星も当初は防衛庁所管ではなく、内閣府にして民生部門への利用を考えたはずなのに! 『財政危機の時代に民生部門での役割を捨ててこのまま進んでいいのか。(中略)この衛星についても納税者が納得できる説明が必要ではないか』という朝日新聞の主張には同感だ。少なくとも災害・環境・資源探査を目指している研究者への画像データの提供をすすめてほしい。

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2009年11月 8日 (日)

ACRS2009に参加して

2009年10月18日~23日中国の北京でACRS(アジアリモートセンシング会議)が開かれた。会場は北京首都空港からタクシーで20分と近いBeijin Conferance Center(北京会議中心)で開催された。今年は創設30周年記 Acrs2009_2 念とあって、27ケ国から約700名が参加した。Student Sessionが日曜日に口頭発表で行われたのも特徴の一つである。開会式では村井先生から長先生へと事務局長の世代交代が行われたり、これまでACRSに功労の会った方々の表彰などがあった。特に村井事務局長による創設からこれまでの歴史と尽力された方々で故人となった方への追悼にはホロリとさせられた。夕方からは会場を移してWellcome Partyが開かれたがここにも約650名が参加し、盛大に行われた。特に、各国の学生によるダンスなどのアトラクションは素晴らしかった。会議全体の印象は、中国が非常に元気があると感じた。展示では以前このブログで紹介した小型人工衛星「北京1号」を運用管理している会社の展示も見ることができた。

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2009年10月14日 (水)

まいど1号運用中止

今年(2009年)1月にH-Ⅱロケットで打ち上げられた小型衛星「まいど1号」が明日10月15日で任務を終了することが分かった(共同通信)。この衛星Thumbkyodo2009101001000393headline (写真は共同通信から引用)は大阪の町工場が中心となって開発したもので、打ち上げ後は雷の観測、太陽光観測、写真撮影とアマチュア無線などとして運用してきた。設計寿命は3年だが、自前の管制室を持たないので、管制制御は宇宙航空研究開発機構(JAXA)との協定によりJAXAが行ってきた。しかしその協定が8月で切れ、その後は自己資金を取り崩し10月までなんとか運用してきたが資金不足で管制打ち切りとなる。アマチュア無線はスイッチを入れたままにしておけば簡単な交信はできるらしい。また太陽光観測は大阪府立大の管制で行えるとのことだが、衛星の姿勢制御や太陽電池パネルを太陽の方向に向ける操作ができないため早ければ1ヶ月で交信不能となるらしい。早すぎる「引退」ではあるが、民間による「My Satellite」時代を実証してくれた大阪町工場(東大阪宇宙開発共同組合)にエールを送りたい。

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2009年8月27日 (木)

GPS精度低下の恐れ

「GPS精度低下の恐れ」という見出しで8/24(月)朝日新聞の夕刊に記事が載った。現在、全地球測位システムとしてはGPSのほかにロシアのGLONAS、中国の北斗などがあるが、GLONASは13機前後、北斗は3機なので完全な形(24機以上の衛星による適正配置)で利用できるのは米国のGPSだけである。本来、潜水艦の位置計測や爆弾の誘導など軍事目的で開発されたものだが、今は民生用にも広く使われている。米政府は適正状態が95%以上あることを公約しているが、今回の米議会の行政監察院(GAO)の報告では2010年以後それを下回り、2018年には10%になるとしている。日本でもカーナビや航空機・船舶の位置計測のみならず、地図作成のための基準点測量や地震・火山活動の予測、地殻変動観測と社会インフラに欠かせない。さて日本はどうするのだろう? EUが開発している軍事目的でない衛星測位システムGALILEOを待つのだろうか? これも2005年の暮れに1機目が打ち上げられ、2010年から本格活用を目指していたが2013年に先送りされている。日本もこうしたインフラ整備に本腰をいれて取り組まなくてはいけない。

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2009年6月 3日 (水)

北京1号

 前に中国の小型地球観測衛星「北京1号」のことを書いたので、この衛星の特徴を紹介しておこう。打ち上げは2005年10月27日、ロシアのプレセツク発射場から打ち上げられた。重量は166kg、設計寿命は5年としている。搭載されているセンサはPAN(パンクロマティック)とMSSの2つ。PANモードは地上分解能4mと高精度、走査幅は24km。一方、MSSは3バンド(R,G,NIR)で地上分解能は32mだが、走査幅は600kmと広い。広大な中国全土を9パスでカバーできる。日本ならば2か3パスでかばーできてしまう。
  LANDSATを使って雲なしのモザイクを作ると、日本では年1回できればよい方ですが、「北京1号」のMSSを使って中国全土のモザイクを作ると、年に4回作成できるそうです。 PANモードは分解能が4mなので1/50,000画像地図の作成が可能であり、MSSはカラー画像やパンシャープ画像生成ができるので、災害監視や生態・環境モニタリングに利用できる。画像は販売しているそうです。

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2009年5月25日 (月)

宇宙開発は民間で Asia Sat構想

今日(5/25)の朝日新聞の社説、「日本の宇宙開発 技術は軍より民で磨け」が掲載されていた。私も社説の主張はもっともだと思う。アジア地域のリモートセンシング関係の科学者や技術者が研究成果を発表する場として「アジアリモートセンシング会議(ACRS)」がある。今年は設立してから30年という記念すべき年だそうで、10月17日ー23日に中国の北京で開催される。ACRSの事務局長を務める村井俊治先生が打ち合わせのために北京に行き中国側のトップと議論をしたそうだ。その時の話を伺ったところによると、ACRS 2009の中で「Asia Sat」構想が提案されるそうっだ。これはインド、日本、韓国、台湾、タイ等が連携し、各国の民間企業が打ち上げる地球観測衛星の第2名称として「Asia Sat(アジア衛星)」をつけ、配信される画像を相互に利用できるようにしようと言うものだそうです。中国の科学者は「政府ベースのものは政治抜きでは語れないが、だからこうした技術は民間ベースが良いのでは・・・」と言っていたという。まさに朝日の社説のようだ。
 ところで中国に民間企業が打ち上げた衛星があるの? と言う疑問を持つ人もいると思う。中国の民間企業「21世紀空間技術応用会社(21STC)」は、3年前に《北京-1号》という小型衛星を打ち上げている。次に打ち上げる《北京-2号》から「Asia Sat」の名を冠しても良いといっているそうです。

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2009年4月14日 (火)

芽吹きの季

今年はサクラが咲いてから大陸の冷たい高気圧が日本列島に居座り、寒い日が続いたおかげで「花」が長いこと楽しめた。インフルエンザで臥せていた私にとっては、満開のサクラを見るのを諦めていたのに十分まにあった。それから1週間、一昨日(4/12)は、南風に乗ってサクラ吹雪を楽しめた。そしていま多摩丘陵は木々の「Tama_0052 芽吹きの季 」を迎えている。われわれの眼には見えないが「赤外線」の反射量が増えている。鳥たちはこの赤外線を脳下垂体で感じるのだろうか「恋」の季節を迎え囀りが姦しい。「新緑」と一口では言いあらわせない。ワカクサ色、キミドリ、アサギ色、ウスミドリと、いろいろな「緑色」がある。その中にヤマザクラ、ヤエザクラ、ヤマブキが咲き乱れ、ている。東京薬科大学の自然園ではカタクリ、ニリンソウ、フデリンドウ(写真)が咲いている。そろそろ「花粉症」ともお別れ、春を満喫できそうだ。Photo

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2009年2月12日 (木)

浅間山の噴煙を見に

2/8~11まで万座温泉スキー場に行ってきました。万座山ロマンスリフトを降りた所でモバイルフォーンのGPSで位置を計測したら、N36°38' 48.2" E138°30' 16.7" 私の腕時計で標高を測ると1,990m スキー場のパンフレット(案内図)では万座山は1,994mと表記されていたので、ほぼ正しい。連日、天気に恵まれ御飯岳、根子岳、阿四山、浅間山の眺望をほしいままでした。とりわけ今月初めに噴火した浅間山は今もImg_0003 噴煙をあげ、風下の山体は雪が積もっているにもかかわらず降った灰で黒く染まっていました。時おり勢いよく噴煙を上げることもありました。この浅間山を望みながらゲレンデを滑り降りる心地よさと、アフタースキーは温泉でしばし桃源郷の気分に浸ってきました。

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2009年2月 3日 (火)

浅間山の噴火による降灰

昨日(2/2)朝ウォーキングに出たところ、我が家の車が白く汚れていた。浅間山噴火のニュースが流れていたのを知っているので、噴火による降灰と直感した。浅間山は群馬県と長野県の境にある標高2568mの活火山で、N36°24'23"  E138°31'23"に位置する。わが家の緯度経度から距離を計算するとImg_0003 約115km。噴火は2日未明からと報道されているので、それから朝方までの間に折からの北西の季節風に乗って運ばれたものだ。車のフロントガラス とボンネットの上に薄く積もっていた。報道によると気象衛星「ひまわり6号」にも噴煙の流下方向が写っているそうだ。気象衛星だけでなく地球観測衛星はじめ高感度カメラによる観測などが動員され、火Img_0005口内の温度や火映などの解析が進められている。リモートセンシングの利活用の良い例だ。浅間山はかなりの積雪がある。火口周辺では雪を溶かして泥流が発生する可能性もある。大きな災害にならないといいのだが。

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2009年1月24日 (土)

民間衛星の時代

昨日(1/23)のニュースで興奮したのは、H2Aロケットで打上げられた人工衛星が全て予定の起動に載せられ、正常作動が確認されたことだ。今回打ち上げられたのは温室効果ガス観測する技術衛星「いぶき」がメインで、このほかH2ロケットの空間スペースを利用し7つの小型衛星が軌道に投入された。衛星は次のとおりである。
 「SDS-1」・・・・・・小型実証衛星(JAXA)
 「雷神」・・・・・・・スプライト観測衛星(東北大)
 「まいど1号」・地域活性・雷観測(東大阪宇宙開発共同組合)
 「STARS」・・・・・・親子衛星によるテサー伸展実験(香川大)
 「KKS-1」・・・・・・3軸姿勢制御実験(航空高専)
 「PRISM」・・・・・・超小型衛星バス技術試験・実証(東京大学)
 「かがやき」・・・障害児の夢を宇宙に(ソラン㈱)
こうしてみると日本でも高専や大学、民間企業が宇宙観測に参入する時代となったことを印象づける。このブログで昨年の7月12日第4世代の地球観測衛星のことを書いたが、正にその時代到来だ。今回打上げられた衛星の中で私が興味を持っているのは、「まいど1号」(SOHLA-1)の雷観測とスプライト観測衛星による地球起源のガンマ線観測、それに「かがやき」の大学ミッションのオーロラ観測です。成果が期待される。

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