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2009年8月27日 (木)

GPS精度低下の恐れ

「GPS精度低下の恐れ」という見出しで8/24(月)朝日新聞の夕刊に記事が載った。現在、全地球測位システムとしてはGPSのほかにロシアのGLONAS、中国の北斗などがあるが、GLONASは13機前後、北斗は3機なので完全な形(24機以上の衛星による適正配置)で利用できるのは米国のGPSだけである。本来、潜水艦の位置計測や爆弾の誘導など軍事目的で開発されたものだが、今は民生用にも広く使われている。米政府は適正状態が95%以上あることを公約しているが、今回の米議会の行政監察院(GAO)の報告では2010年以後それを下回り、2018年には10%になるとしている。日本でもカーナビや航空機・船舶の位置計測のみならず、地図作成のための基準点測量や地震・火山活動の予測、地殻変動観測と社会インフラに欠かせない。さて日本はどうするのだろう? EUが開発している軍事目的でない衛星測位システムGALILEOを待つのだろうか? これも2005年の暮れに1機目が打ち上げられ、2010年から本格活用を目指していたが2013年に先送りされている。日本もこうしたインフラ整備に本腰をいれて取り組まなくてはいけない。

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2009年8月13日 (木)

石灰華段丘

8月の上旬に沖縄は宮古島に行ってきた。日大の小元先生とそのゼミ生が石灰華段丘の調査に行くというので、石灰華段丘を見たくてついていった。石灰華段丘というのは、地質が石灰岩の所で、地下水や河川の水に溶存している炭酸カルシウム(CaCO3)が沈殿し円形の縁石が形成されダ Img_0028_2 ムが作られる。上から見るとうろこ状に高さを異にして何段もの小さな池沼が並んでいる。こんな地形を石灰華段丘、あるいは石灰華段と言う。普通は鍾乳洞内によくみられる。また温泉地にもできるが、宮古島のそれは、地表でしかも海岸に形成されているという。非常に珍しいので見に行くことにした。約30mの海蝕涯をロープをつたわって降り、さらに海岸の浸食されたノッチの下のわずかな砂浜を波のあいまを計って通りぬけると、目指す石灰華段が東西約100m、幅約30mで展開していた。素晴らしい光景だ!よくこれまで残っていたと感心させられた。小元先生たちの調査が学術的な調査としては初めてと言うことで、新聞記者やTVカメラもも取材に来ると言う、ことだった。

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2009年8月 1日 (土)

2009 7 22の日食

2009年7月22日は日本で日食が見れるとあって期待していたのだが、生憎の雨模様。それでも雨は10時頃あがったが、引き続き厚い雨雲に覆われていた。未練がましくデジカメをもってウォーキングに出かけた。いつもの多摩丘陵と薬科大のキャンパスを時々空を見上げながら歩いた。すると女子学生の”わ~”という喚声! つられて空を見上げるとそこだけ雲が薄くなって三ケ097221_2 月状の太陽が見えた。11時35分、東京の最大食は少し過ぎていたがほぼ食の最大といっていいだろう。早速、愛用のコンパクトカメラのズームを最大にしてシャッターを切った。写っているだろうか? そのあとはまた厚い雲に覆われ太陽は拝むことができなかった。午後ARIDA研究会や大学の試験の採点などに追われて写真のことを忘れていたが、今日、処理してみたら写っていた。嬉しくなってブログに紹介する。Webで見る天文台の情報や気象衛星に黒い太陽の影が映っている写真と較べると、くらべものにならないが私には宝物。高校の頃、八丈島で金環食があった。友人と八丈島に行って観測したことなど思い出した。

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2009年7月15日 (水)

十万億土の距離

今日は7月15日、新暦の「お盆」です。12日の夜に「迎え火」を焚いて先祖の霊を迎え「供養」し、16日の夕方送り火を焚いて霊をお送りする行事です。この「お盆」と言う言葉は仏教用語でサンスクリットの「ウランバナ」がを中国で音写され「盂蘭盆」と言ったのに始まるそうです。「ウランバナ」は古代イラン語の霊魂を意味する「ウルヴァン」(urvan)が語源だとする説もあるようです。先祖の霊は普段どこに居るかというと、阿弥陀様が住まいする極楽浄土です。この我々が住む世界から十万億仏土、離れていると言われています。最近読んだ本、「冥土の旅はなぜ四十九日なのか」(柳谷 晃著)によると十万億仏土は1千京光年=10の19乗光年だそうです。我々の銀河系の端から端までが10万光年と言われていますから、幾つもの銀河系が含まれる壮大な仏教宇宙観です。柳谷さんの本は、このほか仏像が教える美の数学、除夜の鐘の108の意味など数学で読み解く仏教世界を紹介している面白い本です。お盆の間、先祖供養の傍ら紐解いてはいかがですか。

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2009年6月26日 (金)

映画「剣岳・点の記」

1月に試写会に誘われたのだが都合がつかず見にいけなかった映画「剣岳・点の記」を見てきました。大きなスクリーンに映し出された映像の美しいこと!いや、感動しました!!。オフィシャルガイドブックに「測斜照準儀」とあったが現代風に言うとアリダード。これを天狗山に据えての選点作業。剣御前から奥大日岳を観測する場面では、カール・バンベルヒ三等経緯儀を使っている。博物館に行っても見られそうにない機器にも感動しました。またこの映画で木村監督がこだわったのは、CGなど使わずにすべて実写。しかも100年前の測量隊が辿った足跡、のみならず季節や日付までトレースし、標高3,000m近い山中で延べ200日を超える日数を撮影に費やしたことだ。映画の中で「何をしたかではなく、何のためにしたのか」、「美しさは、厳しさの中にこそ、ある」など珠玉の名言を残しているが、山に登ってから撮影という仕事をとおし実感した言葉であろう。われわれ測量屋も山に登ってから仕事という点で共通の思いがある。ともかく素晴らしい!ぜひみなさんも観てください。

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2009年4月30日 (木)

今年も1/3が過ぎ去った

今日(4/30)で今年も1/3が終わった。「光陰矢のごとし」と言う諺があるが、本当に「時」の経つのは早いものだ。年をとると、余計そんな風に感じるのだろうか?
  しかし、ここで言う「時」は、心理学的な「時」であって、実際の1日の長さは、少しづつ延びているそうだ。天文学や地質・古生物学の解明するところによると、1億年前の1日の長さは今より1,000秒、つまり16分短かったそうだ。地球の自転速度が遅くなってきている証拠だ。サンゴや2枚貝の化石にも木にできるような年輪ができる。また昼と夜とでの成長の違いを表す日輪も検出できると言う。学者が今から3-4億年前のデボン紀の化石を調べた結果、400の日輪が検出された。つまり当時は1年の長さが400日、地球の公転周期はほとんど変わらないことが分かっているので、当時の1日の長さは1割ほど短く、22時間たらずだったことになる。1日の長さが少しづつ長くなって来ているとは言え、1割変化するのに3億年かかるのであれば、ヒトはほとんど変化はわからない。
 やはり心理学的な「時」、「過ぎ行く時は早いのだ!」 これが正しいのではないか。

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2009年3月19日 (木)

南極からちゅら海まで

学究生活を40年続けている私の朋輩がこのほど「南極から美(ちゅ)ら海」までという本を上梓した。著者は東北大学にいる時、1968年に第10次南極Photo 観測隊、1972年の第14次南極観測隊として2度も南極に行き越冬している。この時の記録と1982年12月から10ヶ月間、文部省(当時)在外研究員として、また1992年3月から6ヶ月間日本大学から海外研究を命ぜられ世界各地を回った「旅」の記録である。彼の専門は自然地理学(地形学)と地球年代学であり、この本が旅の記録でありエッセイだとしているが、専門の該博な知識が随所にあふれ出ている。南極越冬記録でアイスレーダ(電波氷高計)を駆使し大陸氷の厚さを測ったり、氷河の移動を正確に測る三角形連ねた三角鎖を作りながら精密測量を行っていく。が、極低温で測定するアイスレーダが温度が低すぎて動かないとか、三角測量はWild-T2(経緯儀)で行うがあまりに寒く自分の吐く息で輪盤が凍って動かなくなるなど、苦労話も多い。だがこの本は沖縄の美しい海(ちゅらうみ)まで到達していない。南極から南太平洋-南米ー北米で終わっている。ヨーロッパとアジア-沖縄は第Ⅱ部だそうです。本のサブタイトルに「-エッセイとアルバムで世界をめぐる-」とあるように写真がとても美しい。素敵な旅の記録です、興味ある方にはアルバムとしてもお奨めです。

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2009年3月17日 (火)

円周率2

昨日に引き続き円周率の話です。大学で「測量学」を教えていて、学生に「円周率とは?」と質問を投げかけると、「3.1415・・・・・」とか「パイ(π)」とか答える。もちろん中には「円周とその円の直径の比で、数学定数のひとつ」と正しく答える学生もいる。で、私が「実は角度の単位でもあるのだ」と言うと怪訝な顔をする。角度を表すのに通常は、度分秒で表す度分法(60進法)ともう一つ弧度法というのがある。弧度法とは国際単位系(SI)におPhoto_3ける平面角の単位で、「円周上でその円の半径と同じ長さの弧を挟む半径が 成す角を1ラジアン」と定義し「rad」で表している。つまり全円は360°なので、
1rad/360°=r/2πr 従って180°=πラジアンとなる。「だからπは弧度法の角度の単位といえる」というと学生は不思議な顔をしながら納得しているようだ? でこの弧度法は微小角の計測に便利なのだ。例えば、4km先にある幅40cmの物体を挟む角度θは、θ=0.4m/4,000mで表せる∴θ=0.0001radとなる。度分法に変換するには180/πを掛けてやればよい。値が小さいので度では表せないからさらに3,600倍して秒に換算すると約20.6″を得る。

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2009年3月16日 (月)

円周率1

一昨日の3月14日は「ホワイトデー」で、2/14のバレンタインデーに女の子からチョコレートをもらった人がキャンデーを返す日だそうだ。既に私には関係のない日になっている。もう一方、日本記念日協会は3/14を「数学の日」と認定していることを朝日新聞の夕刊で知った。3.141592・・・つまり「円周率」に因む。円周率とは、円周の長さをその円の直径で除した値(円周率=円周/円の直径)で通常ギリシャ文字のπ(パイ)で表される。3月14日つまり3.14の語呂合わせだが、語呂合わせと言えば洋の東西を問わず同じようなことがアメリカでも起きている。CNET JAPANのニュースによれば、米国時間3月11日に米下院は3月14日を「National Pi Day」(全米円周率の日)とする制定法案を可決したと伝えている。そしてこの日を利用して生徒に円周率について教え、「数学を学ぶ魅力を伝える」よう呼びかけているそうだ。ホワイトデーよりはるかに教育的であるとは思う。

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2009年3月 3日 (火)

エベレストの標高と山名

朝日新聞の「be on Sunday」ではよく山の高さをとりあげる。3/1もs3面のスポーツラボで世界最高峰エベレストの高さについて書いていた。記事を要約すると次のようになる。
 1954 インド測量局 8848m (経緯儀による三角測量)
 1975 中国の測量  8848m
 1999 米国登山隊  8850m (GPSによる測定)
 2005 中国の測量  8844m (レーダで山頂の雪氷厚計測)

少し解説を加えると、'54年のインド測量局の計測は周辺12箇所からの測定値の平均値であり長年この数値が公式標高として定着していた。1975年の中国国家測量局の測定結果では、8849.05m(8848.13±0.92m)とされた。その後'99年の米国地理学協会のGPS観測では8850mが公表された。中国は2005年に再測し8844.43m(3.5mの雪氷厚を含まず)と発表した。
 従来の8848mは山頂の雪氷の厚さを含む値だそうだ。温暖化で氷が融けると2005年の中国の測定値に近づく。山頂でも3.5mの雪氷があるというのも驚きである。
 では'99年の米国の測量の誤差は? GPSでの測定は標高を測るのではなく、ジオイド面からの高さの測定となる。従って、標高に換算するにはジオイド高が分からないといけない。新聞の記事では「ヒマラヤなど内陸では重力の影響でジオイドが複雑に変化する。米国隊の測量ではこのジオイドを決定する際に誤差を生じたようだ」と、書いている。
 ところで山名の「エベレスト」とは英語名で長年インド測量局の長官を勤めたGeorge Everestにちなんでつけられたもので。インドではサンスクリット語で聖なる山と言う意味でデヴギリ(Devgiri)、ネパールではサガルマタ(Sagrmatha)、チベットではチョモランマ(Chomolungma)とよばれている。標高だけでなく山名を揺れ動く。

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