土木技術

2009年11月19日 (木)

万里の長城

「不到長城非好漢(長城に到らずんば好漢にあらず)」と言う毛沢東の言葉がある。我々も好漢になるべく、明の十三陵を後にして「長城」に向かう。八達31 嶺である。現在はロープウエーで簡単に山稜に行ける。この万里の32 長城は、秦の始皇帝が北方民族の匈奴の侵入を防ぐために修築し、そのあと明代まで増築が繰り返され、現在は西の嘉峪関から東は山海関まで6,300kmに達すると言う。尾根伝いに這う大城壁は、スペースシャトルからも確認できるそうだ30。ロープウエーで山稜の城壁に辿り着くと、雄大な眺めに圧倒される。と同時に、はあふれる人で賑わっていた。城壁から下を覗くと、ロバにレンガ を背負わせて今も少しづつ修復をしている。悠久の時をこれからも重ねていくことでしょう。

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2009年11月17日 (火)

明の十三陵

10月21日は唐さんの義兄が車を出してくれて、北京郊外へドライブ市内から高速道路を走ること約1時間、昌平区天寿山の麓に明朝の皇帝の内13人の陵墓が点々と連なることから「明の十三陵」とよばれる。南端の正門から25_13_2 北に のびる「神道」には柳並木を背に獅子、駱駝、麒麟、馬などの石獣と武官、武官、功労があった臣官の石像が並び陵を護っている。我々は明の反映を導いた永楽帝が眠る「長陵」と「定陵」を見学した。長陵は円形の墓で今も発掘されていない。墓の前に祭祀の場として建てられた26_13_2 「稜恩殿」がある。ここに模型や遺 物、27 永楽帝像が展示されていた。永楽帝の命で遠洋航海した鄭和の偉業も展示されている。「定稜」は1956年に偶然に発見された墓で、地下約20mに造られている「地下宮殿」だ。1584年から6年掛かりで造営されたと言うから、大土木工事であったに違いない。そこに万暦帝と2人の后が眠る。この地下の中殿にある白玉の玉座も素晴らしかった。

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2009年11月15日 (日)

紫禁城を訪ねて

  ACRSで北京を訪れた機会にいくつかの名所・旧跡に足を伸ばした。最初は、故宮博物院(紫禁城)。故宮の北側に人工的に造られた山、景山(H=104m)に登り故宮全景を俯瞰した。正午を少し過ぎた時刻で、橙色の屋Img_0054_2 根瓦が金色に輝きとても美しかった。時間の制約もあるので、「ゆっくりは見ていられない」と、案内をしてくれた中国の友人「唐」さんが言い、今回は神武門から入り中央を抜けるコースを辿った。この紫禁城は明の永楽帝が南京から遷都した後、14年かけて完成させた皇城である。資料によると、南北961m、東西753m、敷地面積72万㎡、周囲は高さ10mの城壁とその外側には幅52mの堀がめぐらされ、宮殿群を護っている。中でも元旦、冬至、皇帝の誕生日など大典を行う「大和殿」は間口66mの中国最大の木造建築だそうだ。計測屋の私が興味を引いたのは、この大和殿に向かって右側に置かImg_0065 れた大理石でできた「日時計」と左側に置かれている古代中国の穀物量(枡)の標準器である。日時計は春分から秋分までは表側、秋分から春分までは裏側を使う、現在の北京標準時にあわせてあるそうだ。枡は中国語では「嘉量」  Img_0069_3と表記されていた。斛(Hu)、斗、升、合、龠(Yue)の容量単位が乾隆9年(1744年)に制定された、と表記されていた。ともかくこの宮殿の壮大さには驚く。

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2008年10月 6日 (月)

フォレストベンチ工法

先日(10/3)スペーシャリストの会の総会が行われた。その特別講演で「フォレストベンチ研究会」を主催する栗原光二先生のお話をお聞きする機会を得た。『フォレストベンチ』とは聞きなれない言葉だが、先生によると“斜面をPhoto_3 「棚田」のように段々にして出来た平面に植樹をすると数年で森になり、斜面も安定する”と説明してくれました。棚田は斜面を階段状に分割して水平 面を造りそこに水を引き入れ、稲を植える。山がちのわが国で は古くから斜面を耕地に変える工法として造られてきた。この棚田が崩壊したと言うことはあまり聞かない。それは、水平面は重力方向に直交し、田の中の土は真上方向に反力2_3 が掛かるので、摩擦力が最大となり安定しているからです。先生は“この「棚田」に学べ”と説きます。『フォレストベンチ工法』は、棚田と同じように斜面に段々を造り、段を支える鉛直壁を鋼製ネットで覆い、このネットにアンカーボルト(鋼棒)を繋ぎこれを背後の土中に打ち込み抜けないように固定する。段々には土を埋め戻し水平面をつくりここに“イネ”ならぬ樹木を植える。鉛直壁の前面は間伐材の丸太などを並べ見た目も美しくする工法だそうです。フォレストベンチ研究会では8年間にたくさんの実績を重ね、2003年度には建築・環境デザイン部門で“グッドデザイン賞 金 2_2 賞”も受賞したそうです。起伏の多いわが国の鉄道や道路の法面は従来、コンクリートの吹き付けやブロック擁壁で支えてきた。それは見た目にも決して美しいとは言えないし、地震や大雨の災害に対しても強くはない。それに対し今回たくさんのスライドを見せて頂いたが、壁面は間伐材の丸太でお洒落だし、力学的にも十分な支持力を持ち、数年すれば木々や草に覆われ自然の森のように見えはじめ、深く伸びた木々の根は斜面を支え、正に持続可能(Sustainable)な斜面擁護工法だと思いました。その意味で、先生が『斜面は大きな可能性が眠っている』と語る言葉がわかる気がした。数年前オーストリアのウィーンからバッドダツマンドルフへ車で走った時、木のガードレールに心和ませられた。間伐材の処理に窮しているわが国も、ガードレールこれを使えばよいじゃないかと思ったが、ガードレールは勿論、斜面の多いわが国ではむしろ「これだ!」と思った。(写真とイラストは「フォレストベンチ研究会」のパンフレットから引用しました。詳しくは同研究会のHPをご覧下さい

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