またまた出た地図の小説
前に紹介した「地図男」につづいてまた地図を題材にした小説が出た。表題も「独白するユニバーサル横メルカトール」と地図そのものだ。作者は平山夢明氏で、光文社文庫から表題のほかに8編をおさめた短編集として刊行されている。私は表題に引かれて手にとってみて巻末の「解説」を読んだら、何と2006年度、第59回日本推理作家協会賞短編部門を受賞し、同年の「このミステリーがすごい!2007年版」でも年間ベストテン国内編の第1位に選ばれた、と言うので早速買って読んでみた。タイトルにあるように「独白」ですから地図帳そのものが喋るのです。その地図帳の持ち主であるタクシードライバーが客として乗せた女性客をきっかけで殺人者に変貌、またその息子の所業に・・・・・。ストーリーの詳細は、みなさん自信でお確かめ頂くとして、ともかく驚いたの一語です。それにしても「任意の一点と中心からの方位・距離が正確な正距方位図法を採択しております・・・」とか、地図は「<遮蔽>と<誇張>の二点に尽きると考えます。」など著者の地図に対する知見もすごい。私の読後感は、ミステリーと言うよりも猟奇小説に属するのではと思うが、擬古的なですます調で語っているので内容のわりにおぞましさは感じられなかった。
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