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2007年4月 8日 (日)

仏教の宇宙観

 今日は4月8日、お釈迦様のお生まれになった日である。そこで、仏教の宇宙観を見ていこうと思う。5世紀にインドで成立した『倶舎論』が述べる仏教宇宙を永田久氏が著した「暦と占いの科学」(新潮選書)から紹介する。左の図は、この書に従って仏教宇宙を図にしたものである。Photo_48 この図のように、虚空に浮かぶ風輪の上に円筒状の水輪がありさらにその上に金輪がある。この金輪が我々が住む世界とされている。金輪の大きさは120万3450由旬(1由旬は約14.4km)だから約1,700万キロ。金輪の最下底部、つまり水輪との境が「金輪際」だそうだ。我々の住む世界の上に「天」がある。天は『神』が住む高いところで、欲界、色界、無色界という3つの世界がある。これを「三界」と言うそうです。
 欲界には6つの天があって、地上4万由旬のところに四天王天、さらに4万由旬上に三十三天、さらに8万由旬上に夜魔天、距離は、倍に増えて兜卒天、楽変化天、他化自在天と続く。この他化自在天は、地上から128万由旬のところとなる。ここまでが欲界で、生死流転の迷いの世界であり、淫欲、食欲をもつものが住むところだそうだ。
 色界は、禅(ディアーナ)をおこない、欲望を超越して形だけが存在し、光明を食べるものの住むところだそうで、17天(梵衆天、梵輔天、大梵天、少光天、無量光天、極光浄天、少浄天、無量浄天、遍浄天、無雲天、福生天、広果天、無煩天、無熱天、善現天、善見天、色究竟天)がある。他化自在天から梵衆天までは128万由旬、次の天までは倍、倍と距離が増えていくので他化自在天から色究竟天までは、1,677億7,216万由旬となる。
 無色界は、定(サマディ)をおこなう形のない精神のみの世界で、4つの天(空無辺処天、識無辺処天、無処有処天、非想非非想天)がある。非想非非想天は「思わないということを思わない」絶対の瞑想の境地で、これが最高の天、“有頂天”なのだそうである。「暦と占いの科学」の著者は、金輪際から有頂天までを2兆6843億5488万由旬と計算している。さらに著者は1由旬を14.4kmとし、1光年を9兆4600億kmとすると4.08光年となり、有頂天は地球にもっとも近い星ケンタウルス座のプロクシマであろうか、と推測しているのが興味深い。
 それにしても「0ゼロ」を発見したインドが生んだ仏教思想は、なんと数字に満ちあふれた世界であるのに驚かされる。さらに我々が日常で「金輪際いたしません」とか「あいつは有頂天になている」などとつかっている言葉の語源が、仏教からきていたというのも再認識させられた。

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